3)排ガス凝縮器の製作
(1)まえがき
高圧燃焼スターリングエンジンの排ガス凝縮器について基本計画、詳細設計を行い、、試作システムに使用する凝縮器を製作した。
排ガス凝縮器はH2O凝縮部とCO2凝縮部に対し各々凝縮器を設け、H2O凝縮器出口部(CO2凝縮器入口部)でH2Oドレンを分離し、CO2凝縮器の凝縮性能の向上を図るとともに、省スペースのため堅型、高圧のため多管式熱交換器を選定した。ここでは各凝縮器の構成、構造ならびに製作について述べる。
(2)排ガス凝縮器の構成、構造
表3.3-2、表3.3−3に示すH2O凝縮器ならびにCO2凝縮器のデータシートに基づく各凝縮器の組立を各々図3.3-5、図3.3-6に示す。各凝縮器は固定管板形式の堅型多管式熱交換器でありポルト・ナットを除きSUS304ステンレススチールで製作されている。H2O凝縮器は排ガスが凝縮器の胴側上部より流入し、排ガスが冷却されるとともに水蒸気が凝縮し、凝縮水と炭酸ガスが下部より流出する。胴側にはバッフル板が設置してあり伝熱管に対し排ガスが直交して流れる。
水蒸気凝縮器は高温・高圧であるため熱伸びによる応力を吸収する伸緒継手が胴に設けてある。一方、冷却水は氷室下部より流入し上部より流出する。伝熱管は冷却水の流速を増加させ、熱伝達率を促進するため内筒が挿入された管が13本錯列に配列されている。
CO2凝縮器はH2O凝縮器を流出した凝縮水と炭酸ガスのうち、セパレータで凝縮水を分離した炭酸ガス凝縮器胴上部より流入する。胴内部には水蒸気凝縮器同様バツフル板が設置してあり炭酸ガスが伝熱管に対し直交して流れ、炭酸ガス凝縮し下部より流出する。氷室側の冷却水はH2O凝縮器と同一構造の4本の伝熱管へ下部より流入し上部より流出する構造となっている。
(3)排ガス凝縮器の製作・検査結果
H2O凝縮器及びCO2凝縮器は高圧ガス取締法規則に基づき機械的設計を行い、製作、検査が行われた。
(4)排ガス凝縮器の写真
H2O凝縮器およびCO2凝縮器の外観写真を各々図3.3-19、図3.3-20に示す。
(5)まとめ
排ガス凝縮器の基本計画、熱的設計に基づくデータシートにより、構造検討、高圧ガス取締法規則にのっとり機械的設計を行い、官庁検査を受け凝縮器の製作を行った。今後、本凝縮器を試作システムの一部として設置し、凝縮特性試験装置の設計・製作、エンジン排ガスによる凝縮試験を行い、大量の不凝縮ガスを含む水蒸気の凝縮ならびに高圧下での炭酸ガス凝縮特性に関する基礎データを取得し、実船の仕様に応じた凝縮器の設計手法を確立する。
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